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政策レポート【政策提言】高成長国は2020年までに排出削減を行うべき

高い経済収益を上げている、もしくは温室効果ガス排出量の多い、ブラジルや中国、チリ、エジプト、インド、インドネシア、南アフリカ、ウルグアイなどの高成長国に対して、2020年までの削減目標を導入することを、WWViews参加者は支持しています。該当する国々の市民からも(一国の例外を除いて)、他の国と同様に強い支持があります。

会議結果から
  • 参加者の76%が、2020年までの温室効果ガス排出削減(1990年比)を、高成長国に目標として課することを支持しています(=排出量の実質的な削減)。一方で、21%の参加者は、何も対策をしなかった場合と比較して排出量の伸びを制限すべきであると考えています(=排出量の伸びの制限)。[→排出量の「削減」と「伸びの制限」の違いについてはグラフを参照
  • 参加者の半分は、高成長国の排出削減目標は、経済状況や排出量の水準に応じて決めるべきであるという考えを支持しています。その一方で、27%の参加者は、これらの国々の削減目標は附属書国と同じにすべきであると感じて考えています。
  • 高成長国の参加者の3分の2が、自ら2020年までの実質的な排出削減目標の導入を自ら支持しています。
  • 中国は、世界最大の温室効果ガス排出国で、世界最大の高成長国であることから、その動向が注目されます。中国では、参加者の45%が実質的な排出削減を支持している一方、高成長国の目標は排出量の伸びの制限にとどめるべきという意見を支持する人が、僅差で上回っています(52%)。対照的に、中国以外の高成長国の参加者の大多数(72%)は、実質的な排出削減を支持しています。
考察

WWViewsの参加者は、高成長国に対して2020年までの削減目標を課すことを強く支持しました。これは、国際交渉の現状とはまったく異なる内容です。現実には、そのような目標導入への要求は全くなされていません。WWViewsに参加した市民は実質的な削減を望んでいますが、現実の交渉は、何も対策をしなかった場合と比較して排出量の増加をどれだけ制限すべきかという点のみを軸に展開しています。WWViewsの参加者は、COP15の交渉代表者に対して、現在議論の俎上に上がっているものよりも厳しい目標を、高成長国に対して導入することを強く求めているのです。

高成長国の市民が、排出削減に向けて行動する高い意欲を持っていることは、自己責任の意識が高いことを示すものだと言えます。高成長国に対する2020年までの削減目標を導入することに対して、最も意欲が低いのは中国の参加者でした。それでも45%がその導入を望んでおり、また52%は排出量の増加の制限に賛成しています。

WWViewsの結果は、2020年までの目標を達成する能力に国家間の差があることを認めるものであり、これは参加者が、能力に応じた責任の原則を明確に支持していることを示しています。

ドイツ »セッション結果
我々は、全ての国々の能力と責任の両方に合致する拘束力のある削減目標を求めます。

エジプト
エジプト
エジプト »セッション結果
会議に参加した国が政治的な決定を行う際は、環境要因を最優先とすべきです。

カメルーン »セッション結果
全ての国が、明確な指針と目に見える結果を伴う形で、自分たちが環境に与えた損害に応じて温室効果ガスの削減に取り組むべきです。

ウルグアイ »セッション結果
経済状態の異なる国々の間で、結束を高めましょう。

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