全参加国の投票結果と提言を通して読むと、一つのメッセージがはっきり浮かびあがってきます。それは「WWViewsに参加した市民は、自国の政治家に対して、COP15における迅速で力強い対応を求めている」ということです。
会議当日、世界各地の会場は、参加者の真剣な思いを反映して、熱気に包まれていました。地球温暖化に懐疑的な意見や、環境保護を強く訴える意見も含めた様々な考えや視点、数多くの疑問が持ち出され、話し合われました。それでも決定を行い、投票する段になると、意見の多様性や対立はそれほど目立ちませんでした。早急に、意欲的な目標を持って気候変動に対処すべきであるという点で、参加した市民の意見はかなりの程度、一致合意しています。
WWViewsに参加した市民は、先送りはせず、COP15で合意がなされることを望んでいます。地球全体の平均気温の上昇に関しては、産業革命以前と比べて2℃以下という長期目標を要求しています。それを裏付ける形で、自国の政治家がCOP15に向けて表明しているものよりも、厳しい削減目標を求めています。公正かつ相応の責任分担、つまり最も多く負担できる国者が最も重い負荷を担うことも参加者の要求ですが、一方であらゆる国の参加者が気候変動への対策に貢献する用意があることも分かりました。参加者は、責務への期待に応えることのできない国々は制裁を受けるべきだ、とも考えています。参加者は、技術の開発や分配が地球規模での効果的な政策を実現する必要条件であると見なしており、技術移転や気候変動に対する適応策に資金を提供するための国際金融システムも求めています。参加者は、気候変動に関する新しい合意の目標達成を促進するため、強力な国際機関をつくることも支持しています。
WWViewsの参加者は、自国の政府に対し、強固かつ迅速な行動を取ることを促していますが、一方で、市民や消費者として自分自身も努力しなければならないと指摘しています。気候変動への対策に人々が寄与できるための手段として、教育啓発活動や、インセンティブ(刺激策)も提言されました。参加者の大多数は化石燃料価格の値上げを望んでいますが、これは何か貢献したいという個々の市民の意欲を反映していると言えます。
以下の政策提言は、WWViewsの会議結果に関する十分な分析に基づいて作成しました。会議結果の分析は、世界各地の参加国の協力を得て、WWViewsのプロジェクトコーディネーターが行いました。