2009年12月に、デンマーク・コペンハーゲンにおいて「COP15(気候変動枠組条約締約国会議)」が開催されます。この会議は、1997年に議決された「京都議定書」の約束期間(2008年〜2012年)の後の枠組みを決めるという重要な役割を持ちます。
今回、デンマーク技術委員会(Danish Board of Technology)の呼びかけにより、世界の国と地域で、COP15の交渉に当たる政府関係者に対して世界の市民の声を届けるための世界市民会議(WWViews)が開催されることになりました。
日本では、京都議定書を生んだ京都市において開催されます。
この市民会議は、世界の市民が、同じ情報資料に基づき、同じ問いについて、同じ手法を用いて議論する試みで、9月26日に世界の国と地域において一斉に開催されます。テーマは、今後の地球温暖化問題に対して世界がどのような目標を立て、どのように問題の克服に取り組むべきか、です。
WWViews は、専門家ではない「ふつうの人々」が相互に建設的な対話を行い、この場において熟慮することを通じて、今後の気候温暖化対策に関する世界各国の市民の意見を取りまとめ、COP の場に提供しようとする試みです。アンケート調査による世論の把握ではなく、正確な資料や情報を踏まえた議論に基づく輿論の形成の可能性を模索する試みなのです。
今後ほぼ確実に進行する地球温暖化のもとで、温暖化対策が政治的に取り決められることになります。その結果、私たちの生活はこれに少なからず影響を受けることになるのです。だからこそ、政策決定がなされる「前に」、人々に相談する(consult)ことが必要だというのがこの企画の趣旨です。
21世紀は、公共的課題に関して政府や産業界のみならず、「市民セクター」とでも呼ぶべき領域が主体的に議論に参加し、行動することが求められる時代です。このプロジェクトを通じて、地球温暖化問題にとどまらず、市民の関与が必要となる課題にどのように取り組むかを考える機会が生まれることを願っています。
World Wide Views in Japan 実行委員会
委員長 小林傳司