World Wide Views on Global Warming(WWViews / 世界市民会議)は世界初の地球全体を巻き込んだ民主的な熟議です。それは、人類にとって最大の共通課題とも呼ばれる気候変動問題を扱っています。
政策レポート【序文】
市場、技術や環境といった問題がグローバルな規模のものになってくるにつれて、政策決定もそうであらざるをえなくなってきています。この新しい現実のなかで、市民と政策決定者の距離は開いてきており、それによって、市民の決定権を自分たちが持っているという感覚は失われてきています。このことは、広がりつつあるデモクラシーのギャップを架橋する新しいイニシアティヴの必要性を示しています。
地球温暖化は地球レベルの政策決定を要求しています。にもかかわらず、気候に関する政策論争は、かなりの部分、科学者、政治家、力のある利害団体に限定されており、市民と政策決定者の差はさらに広いのです。
市民は気候政策の結果を受け入れて生きざるをえません。彼らの視点は十分に考慮されるべきでしょう。COP15において決定される政策は、市民が新技術に投資し、新しい消費パターンを発展させ、住居や生活そのものさえも変更させなければいけなくなるだろうということを意味しています。もし市民が最初に相談され、意見を尋ねられたならば、彼らは決定された政策を受け入れ、実施することに積極的になるでしょう。
今までのところ、気候変動に関して、グローバルな市民に対するシステマティックで集中的な意見聴取が行われたことはありません。World Wide Views(世界市民会議)はこの空白を埋め、世界の市民をグローバルな政策決定に巻き込むための将来のモデルを確立します。新しく、同時に実践的なプロジェクトの設計は潜在的に地球上の全ての国々にとって利用可能であり、それらの国々が政策決定者と明瞭に意見交換することを可能にする、比較可能な結果を生み出すのに参加できるようになっています。
World Wide Views on Global Warming(気候変動に関する世界市民会議)は6大陸に渡る38ヶ国から約4000人の市民が参加しました。それぞれの国ごとに集まった市民は、2009 年12月に国連で交渉される気候変動問題の中核の問題について、討議を行います。彼らは、気候変動に関するバランスの取れた情報を受け取り、同席した他の市民と共に議論を行い、彼らの意見を表明します。これは、2009年9月26日に、ほぼ一日かけて行われました。
本報告書は、彼らの回答を要約し、最も意味のある結果の幾つかについて説明を加えるためのものであり、より詳細な結果はウェブサイト(www.wwviews.org)でご覧になることができます。本書は気候変動の問題について知識を有している政策決定者を対象としており、World Wide Views のコーディネーターが44の各国のパートナー団体と共に、専門家ワークショップの助言を受けて執筆されています。我々は、政策決定者に対して、コペンハーゲンおよびそれ以後の議論において、未来の気候問題に関する政策を考案するさいに、市民の視点を注意深く考慮することを期待しています。
2009年11月
ビョルン・ベッドステッド WWViews コーディネーター
ラース・クリューバー WWViews 代表